2007年9月20日木曜日

では、腐女子研究を始めよう。

誰か『ハイ、吾○さん』って言ってください。

オークラ出版
僕たちの気になる腐女子
を買いました。
コレ、恥ずかしかったです、買うの。エロ本買うより恥ずかしいです。
あっ、ソッチの人なんだな、と思われるタイトルですからね。
どんな層が購入しているのかとっても気になるこの本は全四章。

第一章 『腐女子の実像研究』
第二章 『腐女子の生態研究』
第三章 『腐女子にインタビュー』
第四章 『腐女子との恋愛研究』

研究とか言ってるくせにほぼ推察&思い込み。うぜぇ。
魂胆見え見えでウンザリしてくるので読み進めるのに苦労しましたよ。




第一章、感想。

個人的には『やおい』と『ボーイズラブ』の違いを知れただけ得をしました。
役立たずな知識ですが、得です。
『腐女子』の定義(広義では「オタク女全般」、狭義では「男性同性愛ネタ好きな女性」)とか、
『腐女子』の血液型診断並におおまかな性質の解説(女性全体における割合の推察、現実・非現実の住み分け等)などがかーなーりの推察を基に書かれている。
まぁ、とりあえず『腐女子』って何よ、を知りたい人は読んでみても悪くないレベルの章。
ちなみに『やおい』と『ボーイズラブ』の違いは、
前者がパロディ、後者がオリジナルだそうです。ま、どっちも男性同性愛漫画の分類が色濃いんだけど。



第二章、感想。

このあたりから本書のテーマである『腐女子最高!』に向け、
第一章以上に魂胆見え見えな文章が続きます。
『腐女子』になんら興味の無い読者にとってはすでに地獄の三丁目。
興味がある人にとっても地獄の一丁目。

・腐女子は「知的レベル」が高い。
・腐女子は「セックスパートナー」として最高に近い。
・彼女にすると楽しいよ。
・欠点には目を瞑りなさい、大したことじゃないかもしれないから。

そんな内容です。
面白い話は一つだけ。
腐女子は『男性同士の利害関係のない友情』への憧れから男性同性愛漫画好きらしく、
自身が「女性」であることに自意識過剰である(コンプレックスがある?)らしいのだが、
『男性同性愛漫画には男女的な役割を持たせたセックス描写がある』、ということ。
純粋な男同士の友情に憧れつつも、男女的な役割を持たせセックスさせるというのは
ある矛盾が存在しているんじゃなかろうか。

で、腐女子は頭でっかちで自分のことになると意固地、との一文。
これにはまったく同意。



第三章、感想。

『腐女子』のみなさんは腐女子であることをカミングアウトすることによって、
偏見の目で見られることが嫌らしい。
そこから思ったのだけれども、『腐女子』とか『オタク』とかに偏見を持っているのって、
案外その『腐女子自身』なんじゃなかろうか。
「腐女子とわかってしまったら、絶対に『変態』とか『変わった子とみられる、引かれる』と思うんです」、って答えてる人がいてさ。
『絶対に』という部分を除いて自意識過剰でない『自覚』の範疇だと思うんだが。
『男同士が裸で抱き合っている図をみて何らかの興奮を覚える』というのは、充分「気持ちが悪い」。
たぶんそれは『偏見』ではなくて、真っ当な反応だと思うんです。
(だからこそ『隠れたがる』んでしょうけど。)
でも、その他の人間性が受け入れられていれば『爪弾きにされる』なんてことはないでしょうし、
簡単に言うなら『腐女子だから人間性が全否定される』ことはまずないかな、と。
そのあたり被害意識過剰というか、腐女子自身が自分の趣味を『後ろめたい趣味だと思っている』のではないでしょうか。



第四章、感想。

腐女子を恋人にするとどんなに素晴らしいか、ということを説いてくれる章。
余計なお世話な最終章。
好きになった相手が腐女子、ではなく。
腐女子だから好きになる、というスタンス。
人間性に惚れてきた人間としては正直、納得いきません。
まぁ、その結果振られ続けているわけですが、何か?

簡単にまとめる。
腐女子は『無茶な要求・ワガママを言うワケじゃないので自分達の幸せを追求でき』、
『遊び心があるのでセックスもマンネリ化せず適度な刺激を味わえる』最高の恋人になるらしい。
んなバカな。

恋愛関係にある普通の女性のイメージが
「デートに連れてけ」「ステキなバッグ買って」
「寂しいから会いに来て」「もっと私を楽しませろ」
・・・なんか、すげぇワガママなんですけど。コレ、偏見だよね。
なんていうか、腐女子のイメージを不自然なカタチでプラスに持っていこうとする章でした。



巻末。

『やっぱり僕たちは「腐女子」が大好きだ!
ですって。
一緒にしてほしくないわ。
やっぱり『腐女子万歳!』に向かうのね。
先入観のある研究は研究じゃねえなぁ。
本格的に研究されても困るんだけど、ここまであからさまな本だと萎える。


by ニラリヒョナー

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